ご挨拶
全国青年司法書士協議会 会長
坂田 亮平
今回で55回目を迎える全青司の全国大会は、富山県青年司法書士会の主管により、富山市において開催されます。
さて、本大会のテーマは「温故知新」です。「温故知新」は、古い事柄を学び直し、そこから新たな知識や理解を得るという意味で用いられます。このテーマには、私たちが過去から引き継いでいるものを今一度明確にし、自身が司法書士の歴史を作る1人としてその存在意義と未来に向けての可能性を探究したい、という実行委員会の思いが込められました。
とやま全国大会の掲げた「温故知新」というテーマを前に、改めて1872年の司法職務定制以来の150年を超える司法書士の歴史を振り返ると、目の前の市民の抱えた問題に対して、共に考え行動し、寄り添ってきた姿が浮かび上がります。青年司法書士は、その歴史の中で、社会の変化に即応し、困難に直面した市民の存在をいち早く察知し、その権利を実現すべく手段を尽くしてきたのではないでしょうか。
また、現在に目を向けると、情報技術の革新により多くの市民は利便性を享受できる一方で、これまでにない新たな権利侵害も生じており、法制度が追いついていないもどかしさを感じることもあります。こうした問題解決のために司法書士として何ができるのか、青年司法書士は生き方や考え方の異なる者同士、時に議論をし、時にぶつかりあいながら、お互いを深めつつ前進をしています。失敗を恐れず、新たなことに挑戦し、実践をし続けています。貧困、差別のない未来に向けて、青年司法書士は、今まさに何をすべきなのでしょうか。
今回の大会は、こうしたひとつながりの司法書士の「過去・現在・未来」を今一度、見つめなおす機会となります。
くしくも前回2006年に富山で開催された全国大会のテーマが「使命~感じる、果たす~」でした。2019年(令和元年)司法書士法改正により使命規程が創設された現在において、司法書士による市民の権利擁護の過去を紐解いていくことで、未来への多くの可能性を感じることができるのではないでしょうか。
全国大会は、全国の青年司法書士が一堂に会し、市民のために司法書士制度はどうあるべきか、そこで全青司が果たすべき役割は何かを熱く語る場です。2025年3月1日、2日は、是非とも富山にお越しください。共に過去から学び、明るい未来を語りましょう。全国の皆様と富山の地でお会いできることを心から楽しみにしています。
全青司とやま全国大会 実行委員長
朝倉 遼太郎
現代社会は少子高齢化、地方過疎化、貧困など多くの社会問題を抱える中、AIを筆頭とする技術革新により急速に変化しています。こうした変化に伴い複雑化した社会の中で先を明確に見通すことは困難となっている現状があります。そのような激動の時代を司法書士として生きる私たちにはどのような未来が待っているのでしょうか。
私たちとやま全国大会実行委員会は、いかなる状況にあっても司法書士としての明るい未来を描きたいとの共通の想いから活動を続けてまいりました。
活動当初は未来を考えるための題材としてAIの現状調査から着手したものの、想定外のAIの成長スピードに大会の着地点が見いだせず活動は難航しました。議論を重ね続けた結果、先行き不透明な状況にある今だからこそ、司法書士としての足元を今一度見つめなおし、存在意義や社会的役割を考え直す機会が必要ではないかと考えました。
そこで着目したのが「司法書士150年の歴史」です。私たちは、先達が150年の歴史の中で築き上げた制度があるからこそ司法書士として活躍することができています。その歴史の中には市民と向き合い、時には制度の枠を超えて権利擁護を図った先達の姿があります。このような過去の積み重ねの中に、未来を切り拓くための多くのヒントが隠されていると考えています。
第55回全青司とやま全国大会のテーマは「温故知新」です。過去から学び、現在を見つめ直し、未来を考える。その過程を通して司法書士の存在意義と社会的役割を考えることが、未来を切り拓く術となると信じて大会の作り込みを進めています。
たとえどんなに先行きが不透明でも確固たる私たちの存在意義と社会的役割を導きだすことができれば、私たちは自信をもって未来を切り拓けると信じています。
私は司法書士としての歴も浅く未熟ではありますが、富山会の先輩方に支えられながら実行委員長を務めさせていただいております。実行委員長に手を挙げるということはかなりの勇気が必要でしたが、その勇気をくれたのが司法書士となった当初に参加した全青司全国大会でした。その際に受けた感動と刺激が今の私の原動力となっています。
とやま全国大会にご参加いただいた皆様に私が得たような感動と刺激を持ち帰っていただきたい、そんな想いで活動に取り組んでいます。
一緒に司法書士の未来を考えましょう。
富山で皆様のお越しを心よりお待ちしております。
富山県青年司法書士会 会長
押川 幸治
富山へようこそ!
皆様こんにちは。富山県青年司法書士会会長の押川幸治です。
今回、19年ぶりに第55回全青司とやま全国大会が、富山にて開催されることになります。第55回という節目の回にこの機会をいただけましたことを、当会を代表しましてお礼申し上げます。
全青司の歴史を紐解いてみますと、1966年3月に「全国青年司法書士の集い」が大阪で開催された後、1970年1月に全青司の創立総会を兼ねた第1回全青司全国大会が静岡県熱海市で開催されました。また2006年3月には、プロボノ活動に焦点を当てたテーマ「使命 ~感じる、果たす~」を掲げ、ここ富山の地で第37回全青司富山全国大会が初めて開催された経緯があります。
今回のとやま全国大会実行委員会は、富山県青年司法書士会の会員で構成されています。当然ながら前回の富山全国大会以降に登録した者が多く、過去の大会を経験された先輩方の多くの協力を得ながら、どの様な全国大会が出来るか考えながら準備しています。
過去の資料を振り返ると、全国大会は将来と夢を語る場、存在意義や司法書士としてあるべき姿の想像、市民の人権救済など色々な答えがあります。
今回のとやま全国大会のテーマは『温故知新』。
大会を通して先達より引き継いだものを検証し、我々の業界の未来を考えます。
富山の地で皆様にお会いできることを、心よりお待ち申し上げております。